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吉田 幹太

山田 理子

田村 明宏

和田 章郎

青木 行雄

宇土 秀顕




▼北馬場の更に北に(田村明宏)
 梅雨入りしたはずなのに雨が降らず湿度が低い、爽やかな日が続いた6月中旬。追い日に当たる水曜日の21日。その日は朝からこの時期らしい雨が降り続いた。午前中は穏やかな降り方だった雨は午後からは風を伴って土砂降りに。それでも私は当初の予定通り、今年の4月下旬に美浦トレセンに新設された北の杜にある厩舎を訪れたのだった。

 当初は北馬場の更に奥に通常のトレーニング用とは別に主に馬をリラックスさせることを目的に作られた森林馬道があった場所にモデル厩舎として二ノ宮、伊藤大の2厩舎が移設されたのが5年前。試行錯誤を経てこの4月から本格的に新厩舎が移動し始めたのだ。それ以前にも写真や文章で凡その事情は確認していたつもりだが、あいにくの雨の中でも新築の木の香りは楽しめたし、大きな屋根で囲われているお陰で雨に濡れることがなかったのは有り難かった。天井が高く開放感に溢れた厩舎内では大きな換気扇があって風通しも良さそう。「高級な乗馬クラブのようなものです」と厩舎スタッフが言っていたように人間でも居心地がいいのだからさぞ、馬にとってもいい環境ではないかなと思わせるものだった。開業してから既に40年以上が経って老朽化している美浦の厩舎棟も順次、移設して最終的にはすべての厩舎を造り替える予定だという。

 環境が変わればすぐに結果も変わるのではないかと部外者は期待してしまうが、「運動の時間も含めて調教に関してはこれまでと特に変わっていません」とは大和田師。奥深い競馬の世界だけにそんなに単純なものではないのだろう。これまでにもWコースができて次は坂路。更にポリトラックと次ぎ次ぎに新しい設備が出来上がったが、すべてがプラスに出ているとは言えない面もある。それに厩舎改築が着々と進められている栗東も含めていずれは美浦の厩舎も同じ条件になるのだから施設云々よりはそれをいかに活用するか、結局は人間の創意工夫が試されるのだろう。北馬場の更に北に開けた新天地で何が起きるか?親しくして貰っている厩舎だけに活躍してほしいのは当然だが、目先のことにとらわれずに私情を交えず、まずはしっかり観察して行きたい。

美浦編集局 田村明宏

田村明宏(厩舎取材担当)
昭和46年6月28日生 北海道出身 O型
詳しい日時は未定だが、この夏中に北の杜に厩舎を移転予定の藤沢和厩舎の3歳馬サトノアレスに注目したい。僚馬のレイデオロにダービーは任せて自身は目標を切り替えて中距離路線に転向。今週の函館の巴賞に出走予定。初の古馬相手だが、54Kなら勝負になるはずだ。最後に忙しい作業中に取材対応して頂いた大和田調教師並びにスタッフの方々にこの場を借りてお礼申し上げます。
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